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5つ星ホテルのラウンジでリモートワークを可能にするWorklounge

2020年から始まったコロナウィルスによるパンデミックにより世界各国でロックダウンが実施され、多くの人が在宅で仕事をするようになり、企業は従業員がオフィス外で業務をするためのインフラを半ば必要に迫られて整えはじめた。大手IT企業のいくつかは永久にリモートワークを導入すると宣言しており、コロナ収束後も「毎日通勤しない働き方」はより一般的になっていくだろう。

普段通勤に費やしていた時間を無駄にすることなく、朝起きてパジャマのままでも仕事に取り掛かれるといったメリットがある一方、家族がいて自宅に集中できるワークスペースがない、家にこもりきりで気が滅入る、といった自宅で仕事をする事のデメリットも浮き彫りになった。

コワーキングスペースやレンタルオフィス、民泊やカフェを仕事場として利用する人も増える中、タイを拠点とするWorklounge (ワークラウンジ)は、新たなオプションとして高級ホテルのビジネスラウンジをワークスペースとして利用できるサブスクリプションサービスの提供を開始した。

今回は共同創業者である Riku Penttinen氏にWorkloungeのサービス、ホテルのラウンジを仕事場として利用する事のメリット、タイでのリモートワークの現状なども交えて話を伺った。

コワーキングスペースにはないハイエンドな環境を提供するWorklounge


Worklounge共同創業者、Benjamin Assuied氏(左)とRiku Penttinen氏(右)

2021年10月にサービス提供を開始したWorkloungeは、フィンランド出身のRiku Penttinen氏と米国出身のBenjamin Assuied氏が創立した、タイを拠点とするスタートアップ。アプリから登録してメンバーシップを購入すると、タイ全国にある一流ホテルのビジネスラウンジを仕事場として利用する事ができる。

利用できるホテルはバンコクのHyatt RegencyやプーケットのAmtara Wellnedd Resort、サムイ島のAmariなど、ラグジュアリー志向のビジネスマンも満足できるラインナップとなっている。

「コワーキングスペースはたくさんあるけれど、ハイエンドなサービスを求めるビジネスマンの需要に応えるフレキシブルなワークスペースは殆どありません。あったとしてもロケーションが非常に限られている。」とCEOのPenttinen氏は言う。

Workloungeを使えば、タイ国内の主要都市やリゾート地にある25の高級ホテルのビジネスラウンジをどこでも利用できる。

また高級ホテルならではのサービスを受ける事ができるのも魅力だ。一般的に、一流ホテルのビジネスラウンジは有料の会員制、または宿泊客でないと利用できない事が多い。

「コワーキングスペースやWi-Fiカフェとの大きな違いは、やはりサービスのクオリティ、それからホテルにはプールやジム、レストランといった様々なアメニティがあります。それともうひとつ大切なのは、ネットワーキングです。コワーキングスペースのコミュニティと、エグゼクティブラウンジに集まる人達は色々な面で異なるので、どのような人々と交流したいかも、ワークスペースを選ぶ上で重要なポイントです。」(Penttinen氏)

ノマドとは
ノマドとは

進化するホテル業界に新たな価値を生み出す

Worklounge – Amari Koh Samui

Penttinen氏はアジアのホスピタリティ業界でのキャリアが長く、コワーキング、コリビング関連の企業にも勤務していた経験がある。ここ数年、ホテル業界は単に寝る場所を提供する宿泊施設ではなく、新たな価値を提供する事で競争力を高めようとしているが、Workloungeはホテルとリモートワーカーを繋げる事で新たな価値を生み出そうとしている。

「ホテル側は新しい客層に来てもらいたいし、リモートワーカーは快適に仕事をする場所を求めている。5つ星ホテルはハイエンドなワークスペースとして必要な設備を全て備えているのに、リモートワーカーにアプローチする術を持っていなかったんです。」

そんな時にやってきたパンデミック。旅行客がいなくなり落ち込んだホテル業界をサポートする意味も含め、Penttinen氏は長年温めてきたアイデアを共同創業者であるAssuied氏と共に実行に移した。

パンデミックにより加速したリモートワークの現在と未来

Worklounge – akyra Thonglor Bangkok

パンデミック以前、タイではリモートワークは欧米に比べてそれ程浸透していなかったという。しかし厳しいロックダウンが実施されたタイでは、多くの人がオフィスへ通勤せず、在宅で仕事をする状況が続いた。

コロナウィルスのパンデミックが世界的に働き方を変えたと思うかという質問に、Penttinen氏は「100%そう思う」と答えた。

「リモートワークへ移行する動きはパンデミック以前からあったけれど、限定的だった。以前はリモートで働く事が不可能と思われていた職業、例えば弁護士なども、パンデミックで在宅で仕事をせざるを得ない状況になったし、今や医者が遠隔で診断できるシステムを開発している企業だってある。」

パンデミックにより世界中の多くの人が毎日通勤しなくても仕事ができる事が分かり、またリモートワークを支える技術やサービスが充実してくるに従い、仕事場の概念は変わっていく。

「100%リモートになるとは思わないけれど、通勤する日としない日があるハイブリッドになっていくと思う。どれだけ導入するかは企業によりけりだけど、リモートワークは一時のトレンドではなく今後も続いていくでしょう。」

社員がオフィス以外の好きな場所で心地よく仕事に専念できるワークスペースを企業が提供するために、Workloungeを利用する事も考えられそうだ。

「Workloungeで提供しているワークスペースはどこも一流のホテルでクオリティがとても高いので、社員に単に仕事場を提供するだけでなく、エグゼクティブラウンジへのアクセスという、会社が社員に与える魅力的な福利厚生になると思う。」

Workloungeアプリについて

worklounge.club

Workloungeは出張が多いビジネスマンや、フリーランサーやデジタルノマドにも有用だ。サブスクリプション会員であれば、アプリ内の全てのラウンジが利用できるので、例えばバンコクからプーケットやパタヤに出向いても、現地でWi-Fiカフェ等を探す必要はなく、いつでも最高クオリティのワークスペースが利用できる。

アプリはApp Store (iOS)とGoogle Play (Android)から入手可能で、料金は以下の通り。

Access Pass1日有効/1ラウンジのみ利用可$25
Gold 1028日 有効 / 10回$145
Gold Unlimited28日有効 / 利用回数制限なし$275
Black365日有効 / 利用回数制限なし$2750

Workloungeは現在タイのバンコク、パタヤ、プーケット、チェンマイ、サムイ島、パンガン島など10都市、25のホテルが登録されており、随時新しいラウンジが追加されている。今後はベトナム、インドネシア、シンガポール、香港などにマーケットを広げていく予定だと言う。

Website: www.worklounge.club

Contact: hello@worklounge.club

Meerkat編集部 (Miho Beck)https://flyingmeerkat.com
Flying Meerkatでは、デジタルノマドに代表される新しい旅のスタイルやコロナ後の旅行業界のトレンド、それを支えるスタートアップの情報を中心に、世界のトラベルテックやホスピタリティに関する最新の話題を配信しています。

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